引率教員レポート

H27年度「フランス言語文化研修」


フランス語を現地で勉強したい? フランスもしくはその他のフランス語圏で?

── すばらしい考えです! なぜならその特別な体験は、フランス語の上達はもちろん、皆さんの人生にとって言語の習得を超える多大な影響をもたらすからです。それにはお金がかかりますし、精神的にもタフでなければならない面がありますが、長い目で見れば、決して後悔しない有意義な投資になることでしょう(参考例として「研修体験レポート」、「研修体験者の声」、「交換留学体験談」をご覧ください)。

本レポートでは、平成27年度「フランス言語文化研修」の詳しいスケジュールと内容をご紹介します。これを読むことでどのような研修なのかを把握できますし、皆さんが知りたいことの答えが見つかることと思います。そこから新たな疑問や興味を持っていただければ幸いです。

最初に、愛媛大学の「フランス言語文化研修」をひとことでまとめれば、「言語研修」と「文化研修」とを併せて行う総合的な研修、ということになります。「言語研修」については、フランスの本学協定校であるブルゴーニュ大学に付属する言語学校(CIEF)のプログラムを各自が履修します。そのかたわら、授業のない週末等を利用して、いくつかの「文化研修」が実施されるのです。

〜 研修報告:準備から帰国まで 〜



事前の準備

平成27年5月開催の「海外研修合同説明会」において、研修の内容とおよその費用、申込み方法などが説明され、関心をもった学生は6月末までに引率教員に連絡をとること、と指示されました。これを受けて旅行会社に見積もりを依頼、費用が確定した後、参加するかどうかの最終決定を7月末までに各自がおこないました。

10月~1月の間には、全員で様々な手続きや準備を行いました。研修費の支払いは1月末です。費用は為替レートや航空券に対する燃油加算金の変動にかなり左右されますが、今回は1名あたり390,000円でした。

また、愛媛大学の国際連携課により義務づけられている「危機管理セミナー」に全員が参加しました。

2月には、「事前授業」3回がありました。帰国後の単位認定を受けるためにも必ず出席しなければならない授業です。研修のためのフランス語の勉強はもちろん、渡航までに準備が必要なものごと、研修中の注意事項なども徹底的に確認します。参加学生のさまざまな疑問や不安を解決する場でもあります。

出発から現地到着まで

平成28年2月28日、いよいよ出発!

松山空港に朝7時、11名の参加学生と引率教員が集まりました。

松山から研修先までの飛行機とバスでの旅程は次の通りです。

長い移動の旅を終え、現地の学生寮に到着したのは同日20時(日本時間では翌日の午前3時です)。寮の責任者によって滞在中のルールなどの説明を受け、それから各自が自分に割り当てられた部屋に落ち着きました。各室に備えられたシャワーで旅の疲れを洗い流し、日付が変わる頃には皆が眠りについたのではないでしょうか?

語学研修開始

一夜あけて月曜日の朝、8時に寮の玄関に集合し、皆で歩いて言語学校へ。徒歩だと約20分の道のりです。言語学校長とスタッフの歓迎を受け、9時から80分間のクラス分けテストに挑みました!

その後、学生証、インターネット接続のパスワード、学内地図やスケジュール表などがスタッフから配付されました。ネットアクセスを登録したあとは、メールや LINEなどで家族や友だちに連絡が取れるようになります(ただし、学内では wifi 接続できますが、寮には今のところケーブル接続しかありませんでした)。

こうして午前中のスケジュールが終わり、昼休みの時間、皆で大学の学食へ行き、お昼を食べました。初体験ですから、教員による学食のシステム解説を聞きながらのランチとなりました。

14時には言語学校の玄関に戻り、午前中に受けた試験の結果確認。各自が所属クラス名、時間割、先生の名前、教室番号を受け取りました。授業は翌日の火曜日から始まるため、その後はほっとひと息つける時間です♪

時間がたっぷりあったので、全員で路面電車に乗りディジョン市街に向かいました。言語学校を含むブルゴーニュ大学キャンパスは、県庁所在地であるディジョン市の郊外に位置しています。距離感としては道後と衣山くらいのイメージでしょうか。路面電車で移動できます。なお寮と大学は徒歩20分で行き来できますが、全員が路面電車の乗車カードをつくり、引率教員によるディジョン市街の案内(スーパーやパン屋さんなどの情報)を受けて、必要なものを購入しました。

〜次の日からの研修内容は以下に日付によりまとめます〜

3/1(火)~3/4(金)

フランス語の授業(約17時間/週)

  • 9時~12時
  • 14時~15時30分または13時~15時(クラスによる)
  • 放課後は自由(宿題、買い物、外出など)

3/5(土)〜3/6(日)

ディジョン旧市街や博物館などを見学。レストランで昼食。

3/7(月)~3/11(金)

フランス語の授業(約17時間/週)

  • 9時~12時
  • 14時~15時30分または13時~15時(クラスによる)
  • 放課後は自由(宿題、買い物、外出など)

3/12(土)

ディジョン駅から電車で約25分のボーヌ市へ。ボーヌ市はディジョン市の南50㎞に位置していますが、ディジョン市より小さく、街というよりは大きな村という印象です。たいへん魅力的な街でブルゴーニュワインの中心地として有名ですから、ワイン博物館やワイナリーを訪れました。土曜日の朝にはマルシェ(市場)が開かれており、フランスの生の暮らしの雰囲気も皆で楽しみました。また、オスピス・ド・ボーヌという歴史的な建造物を見学しました。帰りの電車に乗る前には少し時間があったので、お土産などを買い求め、足取りも軽くディジョンに戻りました。

3/13(日)

再びディジョン駅から電車に乗り、今度は約75分かけてブザンソン市へ向かいました。ブザンソン市はディジョン市の東にあり、隣のドゥ県の県庁所在地。引率教員が大学時代を過ごした街です。スイスに近いため、フランスの時計産業の中心都市としても知られています。また毎年、国際的な指揮者コンクールが開かれる都市として音楽界でも広く知られています。あの小澤征爾もこのコンクールでの優勝により世界的に著名な指揮者となりました。

駅から中心街へ歩いて行くと、日曜の朝なので教会ではミサが行われており、教会の中で讃美歌に耳を傾けるなどの体験をしました。その後、時計博物館を見学し、17世紀の雰囲気をそのまま残したレストランで昼食をとりました。午後は、シタデル(城)に行きました。そこには城だけでなく動物園、植物園なども設けられています。また小高い丘の上に建っているためブザンソン市街とその周りを一望できます。壮大な景色を楽しんだあと、たくさん歩いて多くのものを見聞きし体験した心地よい疲れと共に電車に揺られ、ディジョン市へ戻りました。

3/14(月)~3/18(金)

フランス語の授業(約17時間/週)

  • 9時~12時
  • 14時~15時30分または13時~15時(クラスによる)
  • 放課後は自由(宿題、買い物、外出等)

最終日の午前中に修了試験が行われました。その試験と3週間授業に出席した実績により、約1週間後には全員がディプロマを取得しました。これにより帰国後、愛媛大学で「海外語学実践演習」2単位が認定されました(法文学部のみ)。

最終日の午後は自由時間でしたが、夕方に寮の各部屋の退去時チェックがあり、そして翌朝はパリに向けて出発するため、各自で荷物の準備や掃除をしました。

3/19日(土)〜21日(月)パリ文化研修から帰国まで

19日(土)朝9時にバスに乗り込み、4時間かけてパリに向けて出発。パリのホテルに到着しチェックイン後、いよいよパリ見学! エッフェル塔、シャンゼリゼ通り、凱旋門を訪れた後、セーヌ川の遊覧船バトー・ムーシュに乗って、世界遺産に指定されている景観を楽しみました。

20日(日)には朝からモンマルトルへ行き、サクレクール寺院を見学しました。お昼近くにパリ中心部へ戻りノートルダム教会を見学後、昼食をとり、午後はルーヴル美術館を十分な時間をかけて見学しました。

21日(月)の朝はホテルの近くに位置するオペラ座を見学し、その後は自由時間。最後の買い物など、各自が思い思いのひとときを過ごしました。

15時にホテルに集合、バスでシャルル・ド・ゴール空港へ。19時に飛行機に乗り込み、長い空の旅を経て翌22日18時半、松山空港に帰着しました。

帰路の旅程は次の通りです。